神話
Google
がんばれ宮崎

みやざきWEBチャンネル TOP 神話日本書紀 神々の詩

J11・・・タカクラジの助け・・・
こうして神武は、兄弟を全て失い、悲嘆の中、
残った息子タギシミミを、引き連れ、軍を進めました。
そして熊野の、荒坂津(あらさかのつ)に到着しました。
そこに、丹敷戸畔(ニシキトベ)なる賊(ぞく)がいて、
抵抗したので、殲滅しました。 
その時、神が毒気(どくけ)を吐き、たちまち全員、倒れこみました。
そこへ、熊野の高倉下(タカクラジ)と言うものが、
神武に「ふつのみたま」と言う名の剣を献上しました。
タカクラジは、昨日の夢の話をしました。
「アマテラス様が、夢に出て、タケミカヅチに命令しました。
『地上は乱れ、騒がしい。もう一度降りて、退治しなさい』
タケミカヅチが答えました。
『その必要は、ありません。私が平らげた時に使った、この剣を、
下に降ろせば、大丈夫です』
朝、眼が覚めて、倉の中を見ると、この剣がありましたので、
早速、参上いたしました。」
神武は、お礼を言い「ずいぶん長い間、眠ったようだ」と言われました。
その後、兵らも目覚めました。

解説・・・
荒坂津(あらさかのつ)は、三重県南牟婁郡荒阪村二木島、
現在、熊野市二木島(にきしま)町
丹敷(にしき)は、この二木島(にきしま)の豪族と思われます。
丹(に)は水銀のことなので、神武の軍は、
水銀中毒にかかったのでは、と言う話もあります。
タカクラジの話は、日本書紀も、古事記も、ほぼ同じです。

[P.9/73]