私の友人に尾崎畜産の尾崎さんがいる。
彼とはよく通称ニシタチ(宮崎の繁華街)でばったり出会うことが多かったが、ロータリークラブでもご一緒している。彼の牛肉に対する思い、薀蓄はすばらしいものであり、いつもためになる話を聞かせてもらっている。
また、その作品でもある尾崎牛は、宮崎どころか遠くニューヨークまで知られ始めている名品となっている。
先日の宮崎ロータリークラブの例会で、尾崎さんがスピーチをおこなった。その中の話。
尾崎さんは大きな借金を抱えた家業の牧場を継いだ。がんばって飼育数を増やし借金返済も順調だった中、27歳の時に仕事中の事故で足を切断。金融機関は融資の引き上げを言い出しそうだったらしい。資金が無い中、ある家畜商が出世払いで牛をどんどん入れてくれたとのこと。今は2000頭以上の大牧場となっています。その家畜商は10年前に亡くなったが、尾崎さんは彼に、なぜそこまでしてくれるのかを聞いた。彼は「俺も昔ある人から応援されてここまでなれた。だからいつかがんばっている若者を応援してやろうと思っていた、それがお前だった」と言った。尾崎さんもいつの日かとことん人を応援することのできる人間になりたいと思っているとのこと。
尾崎さん自体たいへん人間的な魅力のある人。しかも義足ながらゴルフもテニスをむちゃくちゃうまい。彼にも親が残した大きな借金、そして右足の切断という波乱があった。そしてこの家畜商の考え方。
その日とてもよい話を聞いたと、一日幸せな気分だった。