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がんばれ宮崎

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This is the archive for March 2011

アマノウズメの踊り・・・
 79   いよいよ主役       登場で
     天鈿女(アマノウズメ)が    舞い出ます
     手には茅巻(ちま)きの     矛(ほこ)を持ち
     磐戸の前に       進み出る
 80   巧みな舞で      踊ります
     榊(さかき)の飾りを     頭につけ
     ヒカゲカヅラを     襷(たすき)にし
     かがり火の中     踊ります
 81   桶(おけ)を伏せた     その上で
     神憑(かみがか)りして     踊ります
     その舞い姿     艶(なまめ)かし
     神々 皆が     大喝采(だいかっさい)
 82   アマテラスは     磐戸の中
     それを聞いて      申します
     「私が石窟(いわや)に     籠(こも)るから
     世の中 暗い     闇(やみ)のはず
 83   なのに どうして     磐戸の外
     アマノウズメは     笑うのか」
     それでアマテラス     いぶかしみ
     磐戸を開けて     のぞき見る

解説・・・
このアマノウズメ(アメノウズメとも言う)の踊りが、
神楽(かぐら)の元祖と言われています。
神楽(かぐら)とは、神を楽しませるための踊りです。

タチカラヲの磐戸開(いわとあ)け・・・
 84   すると タチカラヲ     磐戸 開け
     アマテラスの     御手(みて)を取り
     磐戸の外へ     出されます
     ついに作戦      成功す
 85  天児屋(アマノコヤネ)と   太玉(フトタマ)が
     注連縄(しめなわ) 磐戸に     巡らして
     「二度と この中     入ること
     なりませぬぞ」と     お願いす

スサノヲを処罰・・・
 86  この後 神々     スサノヲに
     この度の罪     咎(とが)めます
     山ほどの品     供(そな)えさせ
     髪という髪     切り落とし
 87  爪という爪     剥(は)がし取り
     重い罰を     与えます
     こうしてスサノヲ     罰を受け
     遂に 出雲(いずも)へ     追放され

解説・・・
68番から、87番までが、日本書紀第7段です。
基本的には、日本書紀も、古事記と、ほぼ同じストーリーです。
この第7段にも、異伝が三つありますが、省略します。

スサノヲの乱暴・・・
 68  いずれにしても     スサノヲは
     清き心が     示せたと
     自分が勝ちと     大威張(おおいば)り
     この後 悪さ     し放題(ほうだい)
 69  高天原にも     稲田あり
     その稲田にて    スサノヲは
     重(かさ)ね撒(ま)きして     悪さする
     大事な畦(あぜ)を     ぶち壊(こわ)す
 70  実りの 秋の       大事な時
     天斑駒(あまのぶちごま)     田に放つ
     更に 新嘗(にいなめ)     祭り宮に
     糞(くそ)を 撒(ま)いて     困らせる
 71  そしてアマテラス     神衣(かみごろも)
     織るため機屋(はたや)に     いる時に
     天斑駒(あまのぶちごま)     逆剥(さかは) ぎし
     屋根をぶち抜き     投げ入れる
 72  アマテラスは     仰天(ぎょうてん)し
     持っていた梭(ひ)で     大怪我に
     堪忍袋(かんにんぶくろ)の     緒が切れて
     天石窟(あまのいわや)に     閉じこもる

解説・・・
ストーリーは、古事記も日本書紀も、ほぼ同じですが、
古事記では、機織姫が死にますが、
日本書紀では、アマテラスが、大怪我するとなっています。

天石窟(あまのいわや)隠れ・・・
 73  太陽の神     隠れては
     辺りは全て     闇(やみ)の中
     昼夜(ひるよる) 区別     出来ずして
     八十万神(やおよろづのかみ)     大弱り
 74  天安(あまのやすの)     河原にて
     八十万神(やおよろづのかみ)     集まって
     アマテラス様     連れ出すため
     思案 投げ首     相談す
 75  思兼神(オモイカネノカミ)     中心に
     深謀遠慮(しんぼうえんりょ)の     策を練る
     まずは常世(とこよ)の     長鳴鳥(ながなきどり)
     集めて 長鳴き     競(きそ)わせる
 76  次に手力(タチカラ)     雄神(ヲノカミ)を
     磐戸(いわと)の脇に     隠します
     天児屋(アマノコヤネ)と     太玉(フトタマ)の
     二人に 祈祷(きとう)を     させまする
 77  天香山(あまのかぐやま)に     生えている
     榊(さかき)を 根こそぎ     掘ってきて
     上の枝には     玉を懸(か)け
     中の枝には     鏡つけ
 78  下の枝には     青と白の
     布を着けて     飾ります
     こうして色々     準備して
     作戦 着々     進みます

解説・・・
この辺りは、古事記も日本書紀も、ほぼ同じです。

アマテラスの子生み・・・
 59  初めにするは     アマテラス
     誓(うけ)いの子生み     始めます
     スサノヲの持つ     剣を取り
     折に折って     三つにし
 60  天真名井(あめのまない)で     振り漱(すす)ぎ
     噛(か)みに噛んで       吹きつけた
     息の狭霧(さぎり)に       成る神は
     三柱(みはしら) 女神(めがみ)      生まれます
 61  姫の名前は     田心姫(タコリヒメ)
     更に続いて     湍津姫(タギツヒメ)
     市杵嶋姫(イツキシマヒメ)     生まれます
     これぞ筑紫(つくし)の     胸肩(むなかた)の神

解説・・・
この三姫は、日本書紀に書いてある通り、
福岡県の宗像(むなかた)神社のご祭神です。


スサノヲの子生み・・・
 62  次に スサノヲ     始めます
     アマテラスの持つ     玉を取り
     天真名井(あめのまない)で     振り漱(すす)ぎ
     噛(か)みに噛んで       吹きつけた
 63  息の狭霧(さぎり)に       成る神は
     五柱(いつはしら) 男神(おがみ)      生まれます
     正哉(マサカ) 吾勝(アカツ)     勝速日(カチハヤヒ)
     天忍穂耳(アメノオシホミミ)     が最初です。
 64  次に天穂日(アメノホヒ)     天津彦根(アマツヒコネ)
     活津彦根(イクツヒコネ)も     生まれでて
     熊野櫲樟日(クマノノクスビ)     生まれでて
     五柱(いつはしら) 男神(おがみ)      生まれます

解説・・・
この部分の、異伝3には、「正に勝った、吾勝った」と言ってから、
勝速日(カチハヤヒ)天忍穂耳(アメノオシホミミ)が生まれた、
と書いてありますが、これが元の伝えで、
後に、「正哉(マサカ) 吾勝(アカツ) 」まで
名前の一部になってしまったのでは、と私は推測します。

アマテラスの言い換え・・・
 65  この時 何故か     アマテラス
     勅(みことのり)して     言いました
     「子供が出来た     物根(ものざね)は
     玉の持ち主     私です
 66  玉から出来た     男の子
     つまりは 私の     子供です」
     こういう訳で     アマテラスが
     男の子の方     育てます
 67  「剣の持ち主     そなたです
     剣から出来た     女の子
     そなたの子として     育てなさい」
     スサノヲに女神     授けます

解説・・・
この言い換えは、オシホミミを天皇家の祖先神とするために、
無理矢理、作られたストーリーのようにも見えます。
39番から、67番までが、日本書紀第6段です。
基本的には、日本書紀も、古事記と、ほぼ同じストーリーです。
この第6段には、異伝が三つありますが、
ストーリーは、ほぼ同じで、子供の名前や順番が、多少違う程度です。

解説・・・
誓約(うけい)とは、賭(か)けのことです。
「表が出たら、私の勝ち」と宣言しておいて、コインを投げて決める、
例のサッカーのコイン投げと同じです。

誓約(うけい)の提案・・・
 53  スサノヲこれに     答えます
     「やましい心は     ありません
     父の厳しい     命令で
     永久(とわ)に 根の国     参ります
 54  姉さんだけには     お別れの
     挨拶せずには     行けません
     それで雲霧(くもきり)     掻き分けて
     遠い所を    来たのです
 55  なのに姉さん     恐ろしい
     姿と 声で     咎(とが)めます
     まさか 私が     姉さんの
     咎(とが)めにあうとは     悲しいな」
 56  それでアマテラス     問い直す
     「ならば そなたの     言うことが
     清き心と     言うことを
     何の証(あか)しで     示すのか」
 57  スサノヲ すぐに     答えます
     「それでは 誓(うけ)いを     いたしましょう
     誓(うけ)いは 賭(か)けの     ことでして
     お互い 子供を     生みましょう
 58  もしも  私の     生んだ子が
     女の子なら     悪い心
     男の子なら     良い心
     それで心を     示せます」

解説・・・
日本書紀では、このように、子生みの前に、
宣言しますから、賭けが成立します。
古事記は、ひどい話、宣言をせず、いきなり子生みを始めます。

もっと、おかしな事は、お互いに、子生みする事です。
これは、古事記も、日本書紀も同じです。
本当に、賭けなら、どちらかが、一人だけ生めば、それで済みます。
もし、両方とも、男の子を生んだら、どうなったでしょう。
もしスサノヲが、男の子と女の子の両方生んだら、どうなったでしょう。

アマテラスの疑心・・・
 44  さてスサノヲが     登る時
     海という海     轟(とどろ)きて
     山という山     鳴き吠える
     荒々しさの     なせる業(わざ)
 45  ここに天照(アマテラス) 大神(オオミカミ)
     スサノヲの態度     荒いこと
     知ってはいたが     その様子
     知らせを聞いて     驚いた
 46  「私の弟     来る訳は
     良い心とは     思えない
     きっと この国     奪(うば)おうと
     やって来るのに     違いない
 47  そもそも我らの     父母(ちちはは)が
     子供たちに    委(ゆだ)ねられ
     それぞれの国     与えたのに
     弟は それを     守らない
 48  自分の国を     捨て置いて
     高天原(たかまのはら)に   登るのは
     きっと この国     乗っ取る気
     さあ こうしては     いられない」

アマテラスの武装・・・
 49  それでアマテラス   意を決し
     女髪型を     上にあげ
     男髪型の     ミズラに結い
     裾(すそ)を引上げ     袴(はかま)にし
 50  次に 大きな     五百個の
     玉をば 髪と     腕につけ
     千と五百の     矢入れの筒
     背中に二つ     背負い込み
 51  肘(ひじ)には 丈夫な     皮をつけ
     弓を ブンブン     振り回し
     剣の柄(つか)を     握りしめ
     堅い地面を     踏み抜いて
 52  土ぼこりなど     蹴散(けち)らかし
     強い雄叫(おたけ)び     叫(さけ)び上げ
     攻める言葉で     まくし立て
     スサノヲに向って     詰問(きつもん)す

解説・・・
この辺りは、古事記も日本書紀も、ほぼ同じです。
アマテラスの武装の様子、テンポの良い調子を楽しみましょう。