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がんばれ宮崎

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This is the archive for February 2011

スサノヲ天へ・・・
 39  スサノヲ  父に     お願いす
    「私は あなたの     命により
     今 根の国に     行きますが
     少し 寄り道     させて欲しい
 40  高天原(たかまのはら)に   登りたい
     姉さんに会い    挨拶(あいさつ)し
    それから永久(とわ)に     退(しりぞ)きたい
     どうか お許し     願います」
 41  イザナキ それを     聞き届け
     「許す」と 一言(ひとこと)     申される
     こういう訳で     スサノヲは
     高天原(たかまのはら)へと     出かけます

解説・・・
39番から、日本書紀第6段が始まります。
ここからは、日本書紀も、古事記と、ほぼ同じストーリーです。

イザナキのその後・・・
 42  ところでイザナキ     その後は
     神の仕事を     成し終えて
     淡路洲(あわじのしま)に   幽宮(かくれみや)
     作られ 静かに     隠れます
 43  これには別の     伝えあり
     神の仕事を     成した後
     天に登って     報告され
     日の少宮(わかみや)に    住むと言う

解説・・・
古事記では、近江(おうみ)の多賀におられる、と書かれています。
日本書紀では、淡路島です。しかも、淡路の多賀という地名です。
私は、淡路の方が元だと思います。
と言うのは、国生み神話の発生源は、淡路島の海人(あま)族の
祖先伝承のようだからです。

ここで、日本書紀の構成について、お話しましょう。
本来、最初に解説すべきですが、解説が長々と続くと、
かえって本文を読む気がしなくなるのではと心配し、
とりあえず、5回までを、前回までに、お話したわけです。

日本書紀全体は、30巻もある、日本で最初の本格的歴史書です。
このうち、神話は、第1巻と第2巻との2巻です。
第3巻からは、天皇の話になります。
ちなみに、古事記は、現存する日本最古の歴史書です。
3巻で構成されており、そのうちの第1巻が神話です。

日本書紀の書き方は、次のようです。
最初に本文が書かれ、一段落したところで、
その段落に関係した異伝(本文と異なる伝承)を載せています。
異伝は「一書(あるふみ)に曰(いわ)く」で始まる文章です。
そして異伝が終わると、次の段落の本文が始まります。
それで学者は、この段落を「第何段」として表します。

日本書紀の神話は、全部で11段に分かれています。
第一巻は第1段から第8段までです。
第二巻は第9段から第11段までです。
段の長さは、まちまちで、ほんの数行の短いものもあります。

これまで私がお話したのは、第1段から第5段までです。
私の七五調四行詩の番号で言うと、
1から7までが第1段、8と9が第2段、10と11が第3段、
12から27までが第4段、28から38までが第5段です。

格段に載せてある異伝の数は次のようです。
第1段には、六つの異伝があります。
第2段には、二つの異伝があります。
第3段には、一つの異伝があります。
第4段には、十の異伝があります。
第5段には、十一の異伝があります。
異伝の長さもまちまちで、大変長い異伝もあります。

これで分ることは、古事記・日本書紀以前に、
最低でも、11冊の何らかの本が作られていた、と言うことです。
残念ながら、それらは、現存しません。

以上のような構成になっているので、
私は、日本書紀を読み進める時、頭がおかしくなります。
今、自分が、本文を読んでいるのか、異伝を読んでいるのか、
時々、分らなくなります。
どの話が本文で、どの話が異伝か、時々、頭が混乱します。

それで今回は、本文だけを七五調四行詩にして、
皆さんに読んでもらいます。
そして異伝は、主なことだけ、解説の中で簡単に、
説明することにしました。

なお、私が参考にした本は二冊です。
一つは岩波文庫の坂本太郎等「日本書紀」です。
この本は詳細な注釈がありますが、現代語訳がありません。
もう一つは、講談社学術文庫の宇治谷孟「日本書紀」です。
こちらは、全現代語訳ですが、注釈は一切ありません。
この二つを見ながら、七五調四行詩に翻訳したのが、
私の作品です。

さて、神話の話に戻り、
日本書紀本文では、イザナミが死んで黄泉(よみ)の国へ
行くという古事記のストーリーは全く無視されていますが、
異伝では、三つの異伝が、黄泉国を取り扱っています。
第5段には、11も異伝がありますが、そのうち、
第6、第9、第10に、黄泉国の話があります。
黄泉国の話は、古事記の専売特許ではありません。

日神(ひのかみ)誕生・・・
 29  ここで お二人     相談す
     「吾らは 既に     大八洲(おおやしま)や
     山川  草木を     生み出した
     今度は  天下の    主(ぬし)を 生もう」
 30  まずは 「日神(ひのかみ)」     生みまする
     大日孁貴(オオヒルメノムチ)     とも言います
     ある本によれば     天照(アマテラス)
     大神(オオミカミ)とも     言われます
 31  日の神の 光     麗(うるわ)しく
     国の隅々に     照り輝く
     二人は 大層     喜んで
     「我が子 沢山     生んだけど
 32  こんなに 良い子は     又とない
     ここに置くのは     畏(おそ)れ多い
     すぐ 天上に     送り上げ
     天上の主(ぬし)を     まかせよう」
33 この当時 天と      地の間
     さほど 遠くは     なかったので
     天柱(あめのはしら)を   登らせて
     天上世界に       送り出す

解説・・・
このあたりが、日本書紀の神話と、古事記の神話の、
最も大きく違うところです。
古事記では、禊ぎの時に、イザナキの左目から、
アマテラスが生まれるのですが、
日本書紀では、イザナミは死ななくて、
イザナキ・イザナミ二人で、アマテラスを生むのです。

それと、これも大きな違いですが、名前の扱い方です。
古事記では、アマテラスであり、何回も登場しますが、
日本書紀では、日の神、オオヒルメノムチであり、
アマテラスは、参考程度の名前なのです。

天武天皇は、伊勢のアマテラスのご加護により、
天皇になれた筈なのに、日本書紀は、
どうして、こんな扱い方をするのか、不思議です。

月の神誕生・・・
 34  次に「月の神」     生まれます
     月の光りも    麗(うるわ)しく
     美しきこと     日に続く
    これまた天に     送り出す

蛭児(ひるこ)誕生・・・
 35  次に 蛭児(ひるこ)が     生まれます
     三年 経っても     足立たず
     それで この児を     船に乗せ
     風のまにまに     放(はな)ちます

素戔嗚(スサノヲ)誕生・・・
 36  次に 素戔嗚(スサノヲ)     生まれます
     このスサノヲの     行状(ぎょうじょう)は
     荒々しくて     残忍(ざんにん)で
     泣きわめきつつ     民を殺す
 37  更に 青山を     枯(か)れ山に
     父母(ちちはは) これに     困り果て
     「お前の態度は     極道(ごくどう)だ
     宇宙の 主(ぬし)に     向いてない
 38  遠い彼方(かなた)の    根国(ねのくに)に
     行ってしまえ」と     追放す
     荒ぶる神の     スサノヲは
     かくて 根国(ねのくに)へ     神遂(かむやら)い

解説・・・
月の神とスサノヲの扱い方は、古事記も日本書紀も、
ほぼ同じです。
蛭児(ひるこ)の扱いが違っていて、
古事記では、国生みの最初に出ます。
日本書紀が、何故、ここに挿入したのか、不思議です。

大八洲(おおやしま)・・・
 21  ここに 二人は     遘合(まぐあい) し
     夫婦の契り     結びます
     産む時になり     まず初め
     柔(やわ)らかなもの     出てきます
 22  二人は  これを      喜ばず
     これを 吾恥(あはじ)と    考えて
     淡路洲(あわじのしま)と   名付けます
     第一子には     入れません
 23  次に 今度は     大日本(おおやまと)
     豊秋津洲(とよあきつしま)   生まれます
     二人は これを     喜んで
     第一子として     数えます
 24  次に 伊予(いよの)   二名洲(ふたなのしま)
     次に 筑紫(つくしの)     洲(しま)を生む
     次に 億岐洲(おきのしま)   佐度洲(さどのしま)
     双子(ふたご)の 島が     できました
 25  これ故 その後     人間も
     たまに 双子を     生むのです
     次に越洲(こしのしま)   大洲(おおしま)と
     吉備子洲(きびのこじま)を    生みました
 26  かくして 八つの     大きな島
     日本の国が     生まれます
     それで 日本の     別名を
     大八洲(おおやしま)と     言うのです
 27  その後 対馬(つしま)    壱岐嶋(いきのしま)
     所々の       小嶋たち
     皆 潮(しお)の泡(あわ)や     水の泡が
凝(こ)り固まって     できた嶋

解説・・・
日本書紀の、上記の島の名の解説は、以下の通りです。
‖臚本豊秋津洲・・・本州
伊予二名洲・・・四国
C淹臀АΑΑΧ綵
げ岐洲・・・隠岐
ズ甘拿АΑΑ佐渡
Ρ杤АΑΑΡ杆紂ΑΑΩ渋紊隆恭个任亘椽の一部
大洲・・・愛媛県の大島・・・大きな島ではない
┻犯子洲・・・岡山の児島半島。当時は島・・・小さな島
壱岐、対馬の方が大きいのに八つの中に入らないのは不思議。

このほか、書紀には、異伝が五つも載せてあります。

一方、古事記にも、おおやしま(字は大八島)があります。
ところが、内容が、相当違います。

即ち、古事記は|枯島∋郵餃14ざ綵
グ躊β佛廊Ш甘廊本州です。

現在の我々の地理の感覚からすると、古事記が、
一番ノーマルですが、学者の集まりの日本書紀が、
何故、本文に上記の八つを選んだのか、不思議です。



神生(かみう)み・・・
 28   国生み終えた     お二人は
     次に神生み     始めます
     まずは海川     山の神
     次に木の神     草の神

解説・・・
日本書紀では、海川山木草の、たった五神だけです。
そして、この後、黄泉の国の話はなく、禊ぎの話もありません。


古事記は、長々と、36神も現われ、最後に火の神を産んで、
イザナミが死に、黄泉(よみ)の国の話、
禊(みそ)ぎの話に続いてゆくのです。

このあたりが、日本書紀の神話と、古事記の神話の、
かなり大きく違うところです。

ここからは、イザナキ・イザナミが、話の主人公となり、
国生み・神生みの話へと進んでゆきます。

磤馭慮島(おのごろじま)・・・
 12  イザナキ・イザナミ     二柱(ふたはしら)
    天浮橋(あめのうきはし)の  上に立ち
    共に計らい        話し合う
     「この下の土地に    国よあれ」
 13  即ち 天之(あめの)    瓊矛(ぬぼこ)をば    
     指(さ)し下(おろ)しては    掻(か)き探(さぐ)る
     ここに海原(うなはら)    探(さぐ)り出し
     矛(ほこ)を抜き取り    持ち上げる
 14  矛(ほこ)の先より    滴(したた)る 塩
     凝(こ)り固まって    成れる島
     磤馭慮島(おのごろじま)が  できまして
     二人は そこに     天下る

解説・・・
古事記にも、オノゴロジマ(字は淤能碁呂島)があります。
私は、ガイドの時、この島を、天と地の間の、
宇宙ステーションのようなもの、と説明しています。
私の仲間の、あるガイドは、これは地球誕生のことで、
オノゴロとは、自(おの)ずから転がる、の意味で、
即ち古代の日本人は、
地球が自転してるのを、知っていたのだ、と話しています。

男子先唱(だんしせんしょう)・・・
 15  そこで夫婦の     契(ちぎ)りをし
     国生みせんと    励みます
     柱の前から    左右(ひだりみぎ)
     分かれて回り    裏で会う
 16  その時 先に     女から
     声をかけて     言いました
     「まあ嬉しいわ     良い男
     巡り合えて     嬉しいわ」
 17  男は これを     喜ばず
     「ほんとは 先に     男から
     声をかけるが     道理なり
     だから もう一度     やり直そう」
 18  今度は 先に     男から
     声をかけて     言いました
     「やあ嬉しいな     良い女
     巡り合えて     嬉しいな」

解説・・・
「女は男に従うべし」という儒教の教えに沿っている、と言われています。
即ち、この頃、儒教も日本に伝わっていたのです。

夫婦の契り・・・
19 男は 女に 問いかける
「そなたの体 いかに成る」
女は 男に 答えます
「雌(め)の元(はじめ)が ありまする」
20 男は それを 喜んで
「わしは雄(お)の元 (はじめ) 持っている
これを  そなたの 雌(め)の元(はじめ)に
    合わせてみよう」と      言いました

解説・・・
古事記も全く同じ内容ですが、表現は、私は古事記が好きです。
即ち、古事記は、次の表現です。
「わたしは、成り成りて成り合わざる所がひと所あります」
「俺は、成り成りて成り余る所がひと所ある。
俺の成り余る物で、お前の成り合わざる所を、挿(さ)し塞(ふさ)いで、
国を生もうと思うが、どうか」「それは好い事ですねえ」