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宮崎ロータリークラブ　会員卓話

屋久島は、九州大隅半島の南南西約60kmの海上に位置する島です。
住所的には鹿児島県熊毛郡屋久島町で、近隣の種子島や口永良部島などと大隅諸島を形成しています。

面積は504.88km²。種子島はどちらかというと平たく細長いのに対し、屋久島は円形に近い五角形をしています。
鹿児島県の島としては奄美大島に次いで2番目、日本全国でも9番目の面積を持つ島です。

とにかく自然を大事にしていて、自然が残されている島です。島の中央部の宮之浦岳あたりの屋久杉自生林、北西部の西部林道付近など、島の面積の約21%にあたる107.47km²がユネスコの世界自然遺産に登録されています。（1993年、姫路城・法隆寺・白神山地とともに日本初）

屋久島へのアクセスは飛行機、フェリー、ジェットフォイルがあります。
飛行機はJAL系の日本エアコミューター（黄金糖あり)のボンバルディアQ400で30分、フェリーは約4時間、ジェットフォイル（トッピーなど）で2時間30分です。
宮崎から行くことを考えると、おすすめは飛行機で鹿児島空港まで車で行き、そこから30分ですので近い離島です。一日5便ありますので、選択の幅があり、旅程を組みやすいと思います。
飛行機はプロペラ機で、桜島の上を飛び、左に佐多岬、右に池田湖開聞岳を見ながら、そして種子島をながめることができ、退屈しません。
屋久島空港は建物も平屋でいかにもローカルという空港です。

屋久島の人口は13,501人（男性：6,588人　女性：6,913人）　6,587世帯が暮らし、人口の3割弱が65歳以上となっています。昔から、人口はシカやサルと同じくらいと言われていたようです屋久島には日高さんが一番多いと言われていますが、高の字が髙を使う場合が多いようです。屋久島は移住人口により、人口が増えているという離島には珍しい傾向があります。毎年1000人弱の転出もある代わり、転入もあります。実際、飲食店のや民宿の経営者は県外から来られた方が多いようです。飲食店でよくどこから来たかを聞かれます。あいさつがわりのようです。

屋久島の魅力は一言で言うと自然ということになります。世界遺産に指定されてから町を挙げてエコに取り組んでおり、今年の4月からショッピングのビニール袋は完全に有料化されました。また、観光地などは太陽光発電や小水力発電を積極的に取り入れています。
町の人の話だとある時期から新規の造成や開発、工場建設などは基本的に許可されないということで、できるだけ自然を残そうということらしいです。

具体的にお薦めポイントを紹介していきます。
ただし、夏バージョンですのでご了承ください。

屋久杉ですが、樹齢1000年以上のものを屋久杉といいます。それ未満は小杉、人工的に植えられたものは地杉（じすぎ）と呼んでいるようです。縄文杉は樹齢が4000年とも7200年とも言われていて、これを見に行くとなると片道10km以上、5時間は歩く行程です。わたしはまだ行ったことがありません。
泊りがけで行くのがおすすめらしいです。
車で1時間上ると3000年の弥生杉など屋久杉や森林を楽しめる場所があります。歩く自信がない方はこちらがお薦めです。車の運転が苦手な方はバス、タクシーで行くこともできます。

島内の足はレンタカーが一番便利です。というかバスは夕方にはなくなります。タクシーは高くつく場合があります。島は車で一周するとすればノンストップであれば約3時間くらいです。高低差がけっこうあるので、軽自動車よりも普通自動車がよいと思います。

屋久杉、森は、実際に行ってみると、予想以上によい感じに包まれます。これは実際に体験されることをお薦めします。安房という町から車で40分くらいに屋久杉ランドという場所があるのですが、体力に合わせて30分から数時間のコースが設定されています。30分でもとても素晴らしい体験ができます。
白谷雲水峡は、車で行ける森としては最も縄文杉あたりの雰囲気を見せてくれます。ここには弥生杉など数千年の杉も多く、苔の雰囲気や、杉の上に杉が生えたり、他の樹木が杉の根基に生えて成長している状況など森の不思議さを十分に見せてくれます。
宮崎駿のもののけ姫はここで取材をしたようです。

海も魅力です。夏に行っていますので、海水浴もするのですが、砂浜はやはり相当消失しているらしく、海水浴場は3か所しかありません。その中でも、一湊（いっそう）というところはコンパクトながらきれいで楽しめるビーチです。白い砂浜が急な坂となり海に続いており、海自体もすぐに深くなっていますが、波があまりなく、小さな子供にも楽しめます。足が届くくらいから5,6mのところに魚がけっこう見られ、ボラやサヨリ、カワハギなどが泳いでいます。イワシの子供の大群に遭遇した時は驚きました。

北部に永田いなか浜というビーチがあり、こちらは全国一ウミガメが上陸する浜です。とても長い白いビーチが美しく、海も透明感があり、白波とのコントラストがとてもきれいです。沖合には隣の口永良部島が見え、日によっては遠くに火山島のようなものが見えます。これは桜島で、海が丸いため、桜島の上部のみが見え、噴煙があると、ほんとうに火山島です。
20年以上前に行った時にはここで泳ぐことができました。今は事実上泳げません。潮流とウミガメ保護の問題と思われます。

この永田浜に流れ込む永田川の上流に横河（よっこ）渓谷という場所があります。ここは地元の人が多く、観光客はあまり来ません。永田浜から果樹畑の中を車で登っていくと広くない駐車場とトイレ設備があって、そこから20分ほど山道を歩きます。大きな石が積み重なった出来ている渓流で、山道を行くと渓流に降りられる場所があります。そこには40m四方くらい、最深で5mくらいの天然のプールがあり、特に海で日焼けした後に入ると冷たくてとても気持ちがよいです。

永田からそのまま西に進むと、途中から西部林道という細く、上り下りとカーブの多い道になります。屋久島は一周100km程度で、信号も少ないのですが、この西部林道はどうしても時速が30km以下になります。綾の奥とか、北郷抜ける街道を走りなれた方なら問題ありませんが、都会から来たレンタカーの車が多いので、自分だけでなく他の車に注意が必要です。また、西部林道のあちらこちらでヤクシカやヤクザルが歓迎してくれます。ヤクザルはニホンザルよりも小さめで、子ザルはさらに小さく可愛いです。ヤクシカもヤクザルともに警戒心が薄く、車の近くまで来ます。

西部林道を過ぎるとそこから約半周の間、たくさんの滝の名所があります。大川（おおこ）の滝は88mの落差で、とても雄大で見ごたえがあります。千尋（せんびろ）の滝は落差60m、滝のそばの300m四方ほどの一枚岩にも驚かされます。トローキの滝は海に直接落ちる珍しい滝で、落差は少ないのですが、シーカヤックで近くに行ける楽しめる滝です。他にも滝がいくつかあります。

屋久島の西部は東側に比べ民家も少なく、集落と集落の間も道しかないというような感じです。
栗生という集落には民宿もそこそこの数があり、海水浴場もあって、本当に静かに過ごすにはよいところです。夜どうしても赤ちょうちんがと言う人には不向きですが、ニシタチに飽きたような人には最適と思われます。その先に中間という集落にはフルーツガーデンという民間の施設があり、期待以上のものでした。屋久島の植物をはじめ2000種の植物があり、ガイド付きで案内してくれます。最後にフルーツをふるまってくれるのですが、食べたことのないフルーツにうまいという発見をさせてくれます。

さらに車を進めていくと平内というところに出ます。そこには海中温泉があり、干潮時に入れる風呂です。これまえタイミング悪く入れていません。
尾之間というところの温泉には入りましたが、湯が比較的熱めで、日焼けの肌にはきついものがありました。屋久島は焼き物をしている人も多く、看板につられて入った陶房ではサンゴを一緒に焼いた独創的なものでした。

安房という町があります。屋久島では宮之浦と安房が大きな街となります。宮之浦は県外観光の拠点のようになっている一方、安房は庶民的な街です。居酒屋など気楽な店は安房に多いという印象です。この数年、安房に泊るようにしています。というのも、民宿は朝食のみという予約をしておいて、夜は適当に食べ歩きをしています。屋久島での宿は、ホテル、民宿とありますが、ほとんどが民宿を利用するようです。ホテルは高級と小規模の両極端です。高級の部類はいわさきホテルやJR九州ホテルですが、1泊一人25,000円くらいします。小規模のホテルは民宿よりも少し高いくらいですが、設備は古く、風呂も共同が多いので、わたしは民宿をお薦めします。民宿は1泊6,000円～9,000円で2食付きのところが多いです。

この安房というところの近くに春田浜という海水浴場があり、そこは一面フラットな磯になっており、違和感を覚えます。これは古代にサンゴ礁が隆起してできたそうで、そのフラットな磯を歩くと、ところどころに大きなバスタブのような穴が開いており、そこは珊瑚も生きていてきれいな水槽のようです。魚もいろいろな種類のものが泳いでいますので、小さな子供でも安心して遊べます。ただし、ここは干潮の時に現れるので、時間帯に注意が必要です。それから背中が思ったよりも日焼けしやすいのこれも注意。

食事は屋久島の産物を使ったものが多く、代表的なものは首折れサバ、トビウオです。磯の貝や亀の手を煮たもの、タケノコなど季節にもよりますが、地どれの新鮮なものを提供してくれます。金額もリーズナブル、店主はおおかた話好きが多いので、焼酎の三岳をあおりながら会話も弾みます。季節はありますが、タンカンは名産でうまいです。
居酒屋ばかりでなく気取ったお店もたくさんできています。

屋久島の魅力は、口では表現しにくいものがあります。一度訪れてみて、体験いただくのが一番と考えます。
ぜひ、お試しください。

さて、番外編ですが、実は今回、河童を目撃しました。
安房という町の安房川のほとりにある民宿に泊まっていました。帰る日の朝、準備をしている際に、川を何気なく見ると泳ぐ人がいる。ここを泳ぐ人もいるんだと思いながら、縮尺がおかしく、よく見ると子供のようです。子供が一人で泳いでいる、、、と思っていると、とぷんと平泳ぎのような感じで頭が沈みました。しかし、どこにも浮かんできません。15分ほど見ていましたが、やはりどこにも出てこない。えっ、これは河童？
しかし、肌は肌色でした、緑ではない。屋久島には河童の伝説は多いみたいですが、、なんだったのでしょうか。

記事作成日：2009/09/02

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