神話に登場する女の神様は、美人と相場が決まっています。
唯一の例外が、いわなが姫です。
古事記では、石長比売、日本書紀では、磐長姫と表記してます。
磐長姫は、岩のように頑丈で長い命を象徴する神様です。
お父上の大山祇(おおやまつみ)は、天孫降臨されたニニギに、
姉の磐長姫と、妹の木花開耶姫とを差し出しますが、
ニニギは、美人の木花開耶姫だけを留め、
磐長姫を帰してしまいます。
ここからは、宮崎県西都市の地元にだけ伝わる話ですが、
帰された磐長姫は、銀(しろがね)の鏡を見て嘆かれ、
鏡を放り投げると、龍房山(りゅうふさやま)の頂上の木に落ちました。
西の村人が、それを見つけ、下に降ろし、祀りました。
その場所が、昔、白見と表記され、
後に銀鏡と表記されるようになった、銀鏡(しろみ)です。
そこに銀鏡神社が、今もあり、
父上の大山祇と共に、磐長姫が祀られています。
その西隣の西米良村(にしめらそん)の米良神社も同様で、
磐長姫は、この地の小川という所で入水したと伝えられています。
磐長姫を祀る神社は、全国的に少なくて、
茨城県筑波山の月水石神社、
京都市北区西賀茂の大将軍神社などです。
銀鏡(しろみ)神社