J23・・・ナガスネヒコとの決戦・・・
冬12月4日になりました。
皇軍は、遂に、長髄彦(ナガスネヒコ)と、再戦することになりました。
しかし、双方決め手なく、一進一退を繰り返しました。
その時、急に空が暗くなり、雹(ひょう)が降って来ました。
そこへ、金色の鵄(とび)が舞い降りてきて、
神武の弓の先に、止まりました。
その金色の鵄(とび)は、光り輝き、まるで雷光のようで、
ナガスネヒコの軍勢は、眩しい光に遮られ、
勢いが、どんどん衰えました。
J24・・・ナガスネヒコの使者・・・
ナガスネヒコは、戦況が不利になったと、感じ取り、
神武に使者を送ってきました。
「以前、天つ神の御子という人が、
天磐船(あまのいわふね)に乗って、天から降って来られました。
名前は櫛玉(クシタマ)饒速日(ニギハヤヒ)と申される人です。
それで、私の妹の三炊屋媛(ミカシキヤヒメ)を嫁にやり、
可美真手(ウマシマデ)と言う子供もできました。
そんな訳で、私は、現在、ニギハヤヒに、お仕えしています。
一体、天つ神の子が、二人も、おられるのですか。
あなたは偽者でしょう。」
それを聞いて、神武が答えられました。
「天つ神の子は、何人もいる。
お前の主人が、天つ神なら、何か徴(しるし)があるだろう。
それを示してご覧。」
使者は、天羽羽矢(あまのははや)と歩靫(かちゆき)とを持ち帰り、
神武に見せました。
神武は「間違いない」と言い、自分も同じものを見せました。
J25・・・ニギハヤヒの帰順・・・
ナガスネヒコは、それで、神武も天つ神であると、分りましたが、
いまさら、戦う心を改めることが、できませんでした。
この時、ニギハヤヒは、ナガスネヒコに、教え諭しましたが、無駄と知り、
それで、ナガスネヒコを殺害し、部下を連れて帰順しました。
神武は、これを良しとして、ニギハヤヒを可愛がりました。
ニギハヤヒは、物部氏の先祖です。
解説・・・
古事記は、この辺り、話が断片的で、どうも、良く分りません。
トミビコを攻撃した後に、エシキを攻撃しており、順序がおかしいです。
しかも、殺したとは、書いてありません。
その後に、ニギハヤヒが帰順します。
そして、ニギハヤヒが、ナガスネヒコを殺したとも書いてありません。
何だか、よくわからない話が続きます。
それに比べ、日本書紀は、よく分ります。