道具の交換・・・
178・・・話は 次に 移ります
海幸 山幸 の 話です
兄 ホノスソリ 釣りが得意
それで海幸と 呼ばれます
179 弟 ホホデミ 狩りが得意
それで山幸と 呼ばれます
ある時 二人は 相談し
お互い 道具を 交換す
180 ところが お互い 獲物なし
兄は 悔(く)いて 弟の
弓矢を返し 「釣竿を
返してくれ」と 言いました
181 けれど 弟は 釣針を
魚に取られ 返せない
それで 仕方なく 新しい
釣針作って 返します
182 兄は それを 受け取らず
「元のを返せ」と はねつける
困った 弟 刀から
籠一杯の 針作る
183 兄は それも 受け取らず
「元のを返せ」と 言い罵(ののし)る
どうする事も できなくて
弟 浜辺を さ迷いぬ
解説・・・
基本的には、日本書紀も、古事記と、ほぼ同じストーリーです。
塩土老翁(シオツツノオジ)・・・
184 その時 ちょうど 浜辺にて
塩土老翁(シオツツノオジ)に 出会います
「あなたは どうして 浮かぬ顔
されておられる のでしょうか」
185 ヒコホホデミは 話します
事の 顛末(てんまつ) 話します
翁(おきな)が すぐに 答えます
「心配すること ありません
186 私が 良いこと 教えましょう」
言うや すぐに ホホデミを
無目籠(まなしかたま)の 竹籠(たけかご)の
舟を 海へと 押し出しぬ
解説・・・
基本的には、日本書紀も、古事記と、ほぼ同じストーリーです。
海神(わたつみ)の宮・・・
187 舟は 自然に 海を行き
きれいな小浜に 辿り着く
それで舟を降り 歩き出すと
海神(わたつみ)の宮の 前に出る
解説・・・
古事記では、海の底に着く感じですが、
上記のように、日本書紀では、海のかなたの、
ある海岸に着く感じがします。