104 大蛇(おろち)退治が 片付いて
スサノヲ 妻と 暮らす為
よい場所 求め 探します
出雲をあちこち 探します
105 清地(すがのち) を見つけ 申します
「私の心は 清清(すがすが)しい」
それで今の世も この土地を
清(すが) という名で 呼ぶのです
106 ある書(ふみ)によれば スサノヲは
大層 喜び 歌を歌う
「八雲(やぐも)立つ 出雲 八重垣 妻ごめに
八重垣作る その八重垣よ」
107 「沸き立つ雲よ 妻を守り
八重垣作って くれたようだ」
こうしてスサノヲ 清(すが)の地に
宮を造って 住まわれる
解説・・・
基本的には、日本書紀も、古事記と、ほぼ同じストーリーです。
ところで、上記106の、ある書(ふみ)とは、
一体どんな書物だったのでしょう。
古事記にも、載っているのだから、
ひょっとして、古事記のことでしょうか。
大己貴神(オオアナムチノカミ) 誕生・・・
108 クシイナダヒメと スサノヲは
夫婦の契り 結びます
そして二人の 間には
大己貴神(オオアナムチノカミ) 生まれます
109 それでスサノヲ 申します
「我が子の宮の 首(つかさ) には
アシナヅチと テナヅチよ
お前達が 相応(ふさわ)しい」
110 そして二人に 名を与える
「稲田宮主(イナダノミヤヌシ) 神(ノカミ)」と言う
スサノヲ 出雲で 事(こと )を遂(と)げ
遂に根の国へ 退(の)かれます
解説・・・
日本書紀と、古事記とで、最も違う部分が、この箇所です。
上記の通り、日本書紀では、オオアナムチ、即ちオオクニヌシは、
スサノヲと、クシイナダヒメとの子と書いてあります。
ところが、古事記では、オオアナムチは、
スサノヲの六世の孫となっており、
その間の系図まで、ご丁寧に、載せてあります。
そして、そして、神話のストーリーとして、
古事記では、この後、オオクニヌシの数々の物語、
因幡の白兎を初め、赤猪の話、
根の国での数々の試練の物語、
ヌナカワヒメとの恋物語、
スクナヒコナとの国づくり物語、などなど。
これらが、全て、カットされています。