アマノウズメの踊り・・・
79 いよいよ主役 登場で
天鈿女(アマノウズメ)が 舞い出ます
手には茅巻(ちま)きの 矛(ほこ)を持ち
磐戸の前に 進み出る
80 巧みな舞で 踊ります
榊(さかき)の飾りを 頭につけ
ヒカゲカヅラを 襷(たすき)にし
かがり火の中 踊ります
81 桶(おけ)を伏せた その上で
神憑(かみがか)りして 踊ります
その舞い姿 艶(なまめ)かし
神々 皆が 大喝采(だいかっさい)
82 アマテラスは 磐戸の中
それを聞いて 申します
「私が石窟(いわや)に 籠(こも)るから
世の中 暗い 闇(やみ)のはず
83 なのに どうして 磐戸の外
アマノウズメは 笑うのか」
それでアマテラス いぶかしみ
磐戸を開けて のぞき見る
解説・・・
このアマノウズメ(アメノウズメとも言う)の踊りが、
神楽(かぐら)の元祖と言われています。
神楽(かぐら)とは、神を楽しませるための踊りです。
タチカラヲの磐戸開(いわとあ)け・・・
84 すると タチカラヲ 磐戸 開け
アマテラスの 御手(みて)を取り
磐戸の外へ 出されます
ついに作戦 成功す
85 天児屋(アマノコヤネ)と 太玉(フトタマ)が
注連縄(しめなわ) 磐戸に 巡らして
「二度と この中 入ること
なりませぬぞ」と お願いす
スサノヲを処罰・・・
86 この後 神々 スサノヲに
この度の罪 咎(とが)めます
山ほどの品 供(そな)えさせ
髪という髪 切り落とし
87 爪という爪 剥(は)がし取り
重い罰を 与えます
こうしてスサノヲ 罰を受け
遂に 出雲(いずも)へ 追放され
解説・・・
68番から、87番までが、日本書紀第7段です。
基本的には、日本書紀も、古事記と、ほぼ同じストーリーです。
この第7段にも、異伝が三つありますが、省略します。