解説・・・
誓約(うけい)とは、賭(か)けのことです。
「表が出たら、私の勝ち」と宣言しておいて、コインを投げて決める、
例のサッカーのコイン投げと同じです。
誓約(うけい)の提案・・・
53 スサノヲこれに 答えます
「やましい心は ありません
父の厳しい 命令で
永久(とわ)に 根の国 参ります
54 姉さんだけには お別れの
挨拶せずには 行けません
それで雲霧(くもきり) 掻き分けて
遠い所を 来たのです
55 なのに姉さん 恐ろしい
姿と 声で 咎(とが)めます
まさか 私が 姉さんの
咎(とが)めにあうとは 悲しいな」
56 それでアマテラス 問い直す
「ならば そなたの 言うことが
清き心と 言うことを
何の証(あか)しで 示すのか」
57 スサノヲ すぐに 答えます
「それでは 誓(うけ)いを いたしましょう
誓(うけ)いは 賭(か)けの ことでして
お互い 子供を 生みましょう
58 もしも 私の 生んだ子が
女の子なら 悪い心
男の子なら 良い心
それで心を 示せます」
解説・・・
日本書紀では、このように、子生みの前に、
宣言しますから、賭けが成立します。
古事記は、ひどい話、宣言をせず、いきなり子生みを始めます。
もっと、おかしな事は、お互いに、子生みする事です。
これは、古事記も、日本書紀も同じです。
本当に、賭けなら、どちらかが、一人だけ生めば、それで済みます。
もし、両方とも、男の子を生んだら、どうなったでしょう。
もしスサノヲが、男の子と女の子の両方生んだら、どうなったでしょう。