大きなのれんをくぐって中に入ると、もうお昼どきを過ぎて1時というのに座れずに待っているお客さんもいました。かなり人気のお店らしい。これは期待できそうです。
メニューはよくうどん屋さんで見かけるようなオーソドックスなものもたくさんありましたが、あまり迷わず看板メニューの釜揚げうどんと魚ずしをオーダー。魚ずしは1コから頼めるので「釜揚げうどんと魚ずし1コください」と言うと、お店の方が「一口サイズなので1コじゃ足りないかも・・・」とアドバイス。素直に従って5コ入り一皿を2人で食べることにしました。
岩見うどんの創業は昭和49年。現在の店主、2代目堀 芳郎さんのお父さんが始めたそうです。お父さんのお母さん、堀テル子さんの作る魚ずしがうどんのサイドメニューとして評判となり、今でもこの店の看板メニューとなっています。テル子おばあちゃんは現在93歳。孫に当たる芳郎さんの魚ずしを作る手さばきを今でも時々見に来られます。
ジャイアンツの選手たちは、キャンプの宿舎がこのすぐ近くにある青島グランドホテルに移って来てからほどなくして訪れるようになりました。釜揚げうどん好きで知られる長嶋監督は、店頭に来ると大変な騒ぎになるため、宿舎まで出前をしてもらっていたそうです。
待っている間に店内を見回すと、ありました、ありました、長嶋監督のメッセージ色紙や松井秀喜選手のジャイアンツ時代のサイン、若いころの王監督や原監督の写真などがずらりと飾られています。うどんをゆがくのに結構時間がかかりますが、ゆっくりジャイアンツゆかりのものを眺めていると待ち時間もそう苦痛ではないかも。(ここのうどんはファーストフード感覚ではありませんのである程度は覚悟して行って下さいね。)
程なくして届きました!釜揚げうどん。とろっとしたゆで汁と一緒に入ったうどんのどんぶりに、ねぎや揚げ玉が入ったつゆの器がついて来ます。
感想は「おいしい!」もともとコシのあるうどんを、めんの表面が少し透明になるほど大きな釜でゆっくりゆがいているので、やわらかめのうどんです。それなのに歯ごたえはやわらかいのにのどごしはしっかりとしている、やわらかめんの多い宮崎のうどんでは珍しい不思議な感覚。
つゆは、厳選した良質の材料、利尻昆布やいりこ、しいたけ、そして
かつお節は2種類使っているというだけあって、かつお風味が良く効いていてほんのり甘みがある、ごまかしのない味。やわらかくてコシがあるめんの味わいを引き立てています。二日酔いの朝にも胃に優しそう、と言った感じ。
食べてるうちに気づきました。長めのうどんのところどころが曲がっています。なぜ?店主、堀芳郎さんの話によると、つゆがめんによくからむように、だそうです。そして毎朝芳郎さんが打つうどんはのどごしを重視しているそうです。なるほど、まったくその狙い通りのうどんです。
そして、キラキラとしたサバ独特の模様がいかにも新しくておいしそうな、もう一つの人気メニュー魚ずし。バッテラみたいに厚みはなく、ほんとに一口で食べられそうな感じです。
サバは酢でしめてありますが、そんなに酸っぱくはありません。新鮮なサバを生に近い味で楽しめます。シャリは酸味よりも甘みをより感じるくらいで、しっかりめに味付けしてあります。2人で一皿にしましたが、これ、全部一人で食べられるな。一緒に取材に行った編集長は、普段サバは苦手らしいですが、おいしい、おいしいと、3コ食べましたよ。この店の名物の味、ナットクです。
うどん王国宮崎において、独自の味を作り出し守り続けている岩見うどん。是非一度おためしあれ。
店舗情報はこちら。
休み:不定休
営業時間: 11:00〜18:00
住所:宮崎市青島2丁目9-5
電話番号:0985-65-1218
・釜揚げうどん:(並)420円 (大)520円
・魚ずし:1皿(5コ)420円 (1コ) 85円